あんまり、クサいことを場を考えずに垂れ流すと、あんまりにもクサいので、ここに綴ります。 しかし、野暮ったくしたくないので、抽象的なことをずらずらと書いていきます。 ピノキオピーの「ノンブレス・オブリージュ」を森山至貴さんに編曲していただいた…
1.初夏。ちょうど、夜の空気が湿っていて、息を吸い込めば胸いっぱいに夏の匂いが立ち込める季節。あの公園で、あの夜に、貴方とお菓子を食べた季節。あの頃の記憶は今でも確かに少しほろ苦く感じるほどに幸せだった。ほろ苦く感じるのに、きっと私はあの下…
寂しい夜に思い出す一人きりの君の姿太陽なんかじゃ足りないくらいに湿りきったアスファルトだ君の俯いた背中何もできないわたしがその左手の小指くらいは握って堅く閉ざした拳開いてそっと深く息を吸い込んで君の笑顔がまた見たいからずっとここで待ってい…
他人からの目線が怖い。 好きなことをやっているだけなのに、喜ばれることが怖い。 何もできない自分に対しては、どう思うんだろうかと考えてしまう。 友達だから、が怖い。 友達だから大切だが、怖い。 友達でもない人に大切にされても困る。私は友達だろう…
むきあう。むきあう。むきあう。瞼を落として思案すれば、深いところに沈んでしまう。浮かんでいなければならない。引き揚げてもらおうだなんて思わない方がいい。藻掻けば更に沈むし、苦しいだけと知っている。それなのに、向き合わねば、と呟く。そこに何…
去年はまだ持って行ってた お土産のクッキーの箱の隅 きれいな赤のその角を 指で弄んでいた 抱えておける思い出と 捨ててしまいたい生ごみの 同じにおいがするのになんで どっちもどっちでちょっと邪魔くさい 息が かかるほど近くには 今日は もういたくない…
君を失ったと、勘違いをしていた。 失うも何も、端から得てなどいなかった。捕まえてなどいなかった。義務など発生していなかった。それで良かった。 それなのに、失った、と言う。会えなくなったことをそう呼ぶ。不思議なものだと思う。 残念ながら、人は人…
海はあちら側かな、と、日除けに遮られた窓の向こうを見る。思わず目を細めるけれど、見えるものが増えることはない。 日除けの縦縞模様と、織物の横縞模様が、くっきりと見える。それはすなわち、景色を見ることは難しいと悟らせる物々だ。 諦めて、手元に…
一人で生きていくと決めた。 そう伝えた。 一緒に生きていこう。 そう答えた。 ひとりで。みんなで。 そう答えた。 わかった。口に出してわかった。それでいいんだ。寂しがり屋なのに一人になりたいのは、そう言ってくれる人にはきっとわかってもらえる。 こ…
彼は声が大きい。おまけに、声が高い。語尾もはっきりしていて、その場にいる誰もが一言一句逃さず彼の言葉を聞き取ることができる。もぞもぞ話す私からしたら、羨ましいような気もするし、かわいそうな思いにまでなる。 猫の喉を鳴らすような呟きを拾って、…
女の子はお母さんの肩に頭を預けていました。夕方にはべたついて鬱陶しい髪が、二人の首元で一緒になって、見ている私までじめじめとしたような気持ちになり、それと同時に、暑苦しくても人とくっついていたいよね、と、不思議な共感を生んだのでした。 身長…