むきあう
むきあう。むきあう。むきあう。
瞼を落として思案すれば、深いところに沈んでしまう。浮かんでいなければならない。引き揚げてもらおうだなんて思わない方がいい。藻掻けば更に沈むし、苦しいだけと知っている。
それなのに、向き合わねば、と呟く。そこに何があるのか本当は知っているのに、長い間忘れている。忘れていなければ、わざと潜水を続けて、浮かび上がるたびに死ぬ思いで胸を膨らませなければならない。
むきあう。むきあう。むきあう。
果たして、それは向き合うことになるのだろうか。軸が錆び付いて動かないのは、自分だけではないかもしれない。その事実にも向き合えない。自分が浮かんでいることを諦めたとて、こちらを見つめているだろうか。
抱えた課題に執着して、行動したことそれ自体に満足して、果たしてこの先もそのままで、良かったろうか。
そうは思わないから、力を抜いて浮かんでいられる方法を探している。