nararaiぶらり

お金にならないものを貯めたい

ことば

Portrait of Summer

1.初夏。ちょうど、夜の空気が湿っていて、息を吸い込めば胸いっぱいに夏の匂いが立ち込める季節。あの公園で、あの夜に、貴方とお菓子を食べた季節。あの頃の記憶は今でも確かに少しほろ苦く感じるほどに幸せだった。ほろ苦く感じるのに、きっと私はあの下…

つないで

寂しい夜に思い出す一人きりの君の姿太陽なんかじゃ足りないくらいに湿りきったアスファルトだ君の俯いた背中何もできないわたしがその左手の小指くらいは握って堅く閉ざした拳開いてそっと深く息を吸い込んで君の笑顔がまた見たいからずっとここで待ってい…

他人からの目線が怖い。 好きなことをやっているだけなのに、喜ばれることが怖い。 何もできない自分に対しては、どう思うんだろうかと考えてしまう。 友達だから、が怖い。 友達だから大切だが、怖い。 友達でもない人に大切にされても困る。私は友達だろう…

溺れて待っててね

去年はまだ持って行ってた お土産のクッキーの箱の隅 きれいな赤のその角を 指で弄んでいた 抱えておける思い出と 捨ててしまいたい生ごみの 同じにおいがするのになんで どっちもどっちでちょっと邪魔くさい 息が かかるほど近くには 今日は もういたくない…